奈良県にある十輪院というお寺では、石で造られた龕(がん)と呼ばれる仏像を納める厨子に浮き彫りされている大変珍しいお地蔵さんがいらっしゃいます。
管理人未訪のお寺ですが、紹介していきたいと思います。
【目次】
十輪院の基本情報
十輪院は真言宗醍醐派のお寺で、元興寺の一子院といわれています。
山号は、雨寶山、本尊は地蔵菩薩。
右大臣吉備真備の長男・朝野宿禰魚養(あさのすくね なかい)の開基とも伝えられています。
中世以降は地蔵信仰の場として知られたとのこと。
本堂
石龕地蔵尊
わが国では非常にめずらしい石仏です。龕(がん)とは仏像を納める厨子を意味します。
すべて花崗岩の切石を用いて築造されています。
龕中央に本尊地蔵菩薩、その左右に釈迦如来、弥勒菩薩を浮き彫りで表しています。
そのほか、仁王、聖観音、不動明王、十王、四天王、五輪塔、あるいは観音、勢至菩薩の種子(しゅじ=シンボルとなる文字)などが地蔵菩薩の周りに巡らされ、極楽往生を願う地蔵世界を具現しています。
龕前には死者の身骨や棺を安置するための引導石が置かれています。
また龕の上部、左右には北斗七星、九曜、十二宮、二十八宿の星座を梵字で陰刻し、天災消除、息災延命を願う現世利益の信仰も窺い知ることができます。
引導石の左右には南都仏教に伝統的な「金光明最勝王経」「妙法連華経」の経幢が立てられています。
この石仏龕は当時の南都仏教の教義を基盤に民間信仰の影響を受けて製作されたもので、めずらしい構成を示しています。
大陸的な印象を受ける技法で彫刻されていることも注目されます。
また7月23日、24日には地蔵盆が催され、本堂(国宝)の軒下に多数の提灯を吊り境内をライトアップし、幻想的な雰囲気の中で法要が行われるとのこと。
記事作成にあたりまして、十輪院の住職 橋本昌大さんから画像と文章の引用を公式サイトから引用する許可を頂きました。
この場を借りて、改めて感謝とお礼申し上げます。
十輪院へのアクセス
拝観時間:午前10時〜午後4時30分
拝観料:大人500円、中学生300円、小学生200円
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