埼玉県川口市にある錫杖寺は、ご本尊がお地蔵さんのお寺です。
錫杖と言えばお地蔵さんの持ち物ですから、名前からもお地蔵さんと所縁の深いお寺であることが推測できます。
残念ながら本尊のお地蔵さんを見ることはできませんでしたが、何体かお地蔵さんに出会うことができました。
お寺の基本情報と共に紹介していきましょう。
【目次】
錫杖寺の基本情報
錫杖寺は真言宗智山派のお寺で、山号は宝珠山、院号は光照院。
天平十二年(740年)に行基菩薩が光明皇后の病気平癒祈願の為、この地に草庵を結んだことから始まります。
しかし今から千二百五十余年も昔のことで、史実としての確証に乏しいとされています。
嘉禄年中(1,225~1,226)には願行上人(憲靜)が、行基菩薩ゆかりの地に再び草庵を結び大念仏を結集。
寛正元年(1460年)には宥鎭大和尚によって堂宇が建立。
江戸城の鬼門にあたっていたため、江戸城の守護の意味もあったと言われ、徳川家光より寺領20石の御朱印状を拝領するなど、徳川家との関連が深いお寺でもあります。
本尊は延命地蔵菩薩。
関東八十八ヶ所霊場76番、関東百八地蔵6番、北足立八十八ヵ所霊場73番、武蔵国八十八ヶ所霊場73番ともなっています。
また江戸城大奥最後の御年寄瀧山が葬られていることでも知られています。
御成門
当時の門は川口の大火で焼失。
現在の門は宇都宮城の城門を移築したものです。
寺号標
本堂
徳川13代将軍家定公の寄進による本堂は老朽化の為、昭和五十年(1975)再建されました。
屋根瓦には「十六菊の紋」が使用されています。
「十六菊の紋」は当時醍醐三宝院の直末寺とし、永代院室兼帯寺院であった錫杖寺に与えられたものです。
鐘楼
弘法大師
福禄寿尊
武州川口七福神のひとつ福禄寿尊が安置されています。
福は幸福・禄は財産、寿は延命長寿をあらわし、中国の道教でいう「人々の最高理想」を現しています。
川口天満宮
錫杖寺の天神社の御神体は道真公自作の御神体で「~身体は菅公の自作なり。
何の頃か旧地にありし梅樹の根より穿出せりと云」(『新編武蔵風土記稿』)とされ、その昔に天神社の傍らにあった梅の木の根元から掘り出されたと伝えられています。
日光御成道
徳川家康が遺言により日光東照宮に「東照大権現」として祀られて以来、歴代の将軍にとって、日光社参が幕府の大切な行事となりました。
その時に歴代の将軍が通ったものを「日光御成道」と呼びます。
日光御成道は、本郷追分(東京都文京区)から幸手宿(埼玉県幸手市)の手前で日光街道に合流するまでの十二里三十町(約48km)の街道となっています。
錫杖寺のお地蔵さん
地蔵堂
堂内には、江戸期以前の開眼と推定される半跏の延命地蔵尊など厨子に納められた秘仏が多く納められています。
青山地蔵尊
川口市で長年鋳造を業としてきた青山某の遺言によって似顔そのままを鋳造して安置したことから、俗に「青山地蔵」と呼ばれ鋳物職人を中心に町の人々から除災招福・商売繁盛の霊験顕かな地蔵尊として信仰されてきました。
かわぐち地蔵
錫杖寺の御詠歌講創立60周年を記念して建立され、開眼供養された新しい仏さまです。
頭に触れること、頭を撫でることでご利益を授かるだけでなく、子どもたちの健康や学業成就などを祈ることができます。
八面塔六地蔵尊
六面には六地蔵尊が浮き彫りにされていて、二面には金剛界・胎蔵界の大日如来が浮き彫りにされています。
六面塔六地蔵尊はよく見かけることができますが、六地蔵と金剛界・胎蔵界の大日如来が共に彫られている八面塔は例をみません。
毎年12月下旬から約2週間は「延命地蔵萬燈会」として新年の平和を祈り、境内に多くの奉納提灯が掲げられるとのこと。
この優美な光の中、本尊の延命地蔵尊に導かれ、約1万人の参拝者が訪れるとのこと。
是非機会があれば、その時期に再訪したいものです。
この記事の解説文には、錫杖寺の公式サイトを参考に記事の一部を引用させて頂いております。
御朱印
江戸幕府と所縁の深い錫杖寺。
御朱印は将軍代替わりの度に書き替えられたと言います。
錫杖寺へのアクセス
埼玉県川口市本町2−4−37
この記事が面白いと思ったらクリックお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓