お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

中国におけるお地蔵さん

かつて台湾旅行の際にお地蔵さん巡りしたことがあります。

日本のかけ離れたその姿に驚きつつも、その時にはそれ以上何も感じませんでした。
しかし時間が経過して、ふと疑問に思ったこと

 

「海外のお地蔵さんってどんな立ち位置なんだろう?」

 

道祖神と習合した日本のお地蔵さんが独特の進化を遂げたことは知識としてあります。
地蔵盆や廻り地蔵など庶民に親しまれている身近な存在であることも日本特有だと想像されます。

 

これだけ長い間ブログを続けていて、海外のお地蔵さんについてほとんど知らないことに気が付きました。
そこで今回は海外のお地蔵さんについて調べてみることにしました。

 

第一回目は中国です。

 

【目次】

 

中国でのお地蔵さん

中国ではお地蔵さんは、地蔵王菩薩と呼ばれています。
日本で親しまれている存在とは異なり、他の菩薩同様に地位が高く崇められています。
そして主に地獄からの救済を願って信仰される存在となっています。

 

筆者も横浜の中華義荘で実際に地蔵王菩薩を目にしたことがあります。
その姿は日本のお地蔵さんとは異なり、金ピカで豪華な服で着飾っていました。

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

中国のお地蔵さんの聖地

中国のお地蔵さんの聖地は安徽省にある九華山(きゅうかざん)です。
この地が聖地になったのは、このような由来があったからです。

 

新羅に金喬覚(きんきょうかく)という名前の僧がいて、地蔵菩薩になることを強く望んでいました。
彼が入滅した3年後に棺を開いて塔に奉安しようとしたところ、生前と顔が変わっていませんでした。
このことが金喬覚を地蔵王菩薩と同一視する信仰が生まれました。
奉安しようとした塔のある九華山が聖地になったというわけです。

 

九華山は、文殊菩薩の五台山、普賢菩薩峨眉山観音菩薩普陀山と並ぶ中国仏教の聖地信仰を集めています。
今でも九華山の化城寺には金喬覚の肉身仏(ミイラ)が祀られているとのこと。

 

日本のお地蔵さんとの違い

中国の地蔵王菩薩と日本のお地蔵さんはかなりかけ離れた部分が多いです。

 

名前や見た目も違いますし、もちろん地蔵王菩薩は道端に立っていたりしません。
他にどんな違いがあるのでしょうか?

 

動物に乗っている(ことがある)

中華圏のお地蔵さんは、諦聴(たいちょう)という動物に乗っていることがあります。
諦聴(たいちょう)は、中国に伝わる霊獣(妖怪)で一角をもつ獅子のような姿をしており、毛の色は青色または金色とのこと。
あの有名な西遊記にも登場しています。

 

日本にも馬にまたがった勝軍地蔵と呼ばれる勇ましいお地蔵さんがいるので、一概に違っているとはいえないかもしれませんが、大きな違いの一つといえるのではないでしょうか。

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

閻魔王と同一視されている

中国では道教の十王思想と結びついて、中国ではお地蔵さんがが閻魔王と同一の存在であるという信仰が広まりました。
十王思想とは「人間を含む全ての衆生は、死後閻魔大王を含む十王の裁きを受けるという信仰です。
ちなみに死後35日目、5番目に裁きをするのが閻魔王こと閻魔大王です。

当ブログでも、お地蔵さんと閻魔大王の関係性について記事にまとめたことがあります。

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

中国のお地蔵さんについてはやや入手できた情報が少ないので、現時点で知り得る情報について記しました。
何か他に情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄にカキコミをお願いします。

 

 

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