京都の中京区にある矢田寺には、矢田地蔵と呼ばれる炎に包まれたお地蔵さんがいます。
何だか不動明王を連想させますが、一体何故そのような状態になっているのでしょうか?
管理人未訪問のお寺になりますが、簡単に解説をしていきたいと思います。
【目次】
矢田寺の基本情報
矢田寺は西山浄土宗のお寺で、山号は金剛山。
平安時代の初め、大和国の矢田寺の別院として五条坊門(下京区)に創建。
現在の地に移転されたのは、天正7年(1579年)のことです。
本尊は地蔵菩薩(矢田地蔵尊)
矢田地蔵尊とは
矢田寺開山の満米(まんまい)上人は、地獄に出向いた際に生身の地蔵菩薩に出会います。
人間界に帰った際に仏師を招き、地獄で出会った地蔵菩薩そっくりの像を造らせたのが、本尊である地蔵菩薩(矢田地蔵尊)なのです。
代受苦(だいじゅく)地蔵とも呼ばれ、地獄で亡者を救う地蔵として人々の信仰を集めています。
なぜ満米(まんまい)上人は、地獄に出向いたのか?
それは小野篁(おののたかむら)が深く関わっているのです。
小野篁と満米上人
小野篁という名前を聞いてもピンとこない人が大半だと思います。
小野篁もまた冥土で生身の地蔵菩薩に出会い、蘇った経験があるのです。
そして一本の大木から六体の地蔵菩薩を刻んだという(京都六地蔵)の作者でもあります。
その篁が帰依していたのが満米上人。
篁は閻魔庁にも仕えており、悪増に苦しんでいる閻魔王宮に、上人を菩薩の戒師として招請することを進言。
そして上人は閻魔王宮へ招かれたというわけです。
なぜ炎に包まれているのか?
もう一つのギモン
なぜ矢田地蔵尊は炎に包まれているのでしょうか?
それは満米上人が地獄で出会った生身の地蔵菩薩が炎に包まれていたからです。
上人が出会った場所は「阿鼻(あび)地獄」
罪人は犯した罪の報いとして、この獄中で猛火に身を焼かれ、極限の苦しみを味わうという、地獄の中でも最も苦しい世界です。
この辺りのことは「矢田寺地蔵縁起絵巻」に詳しく書かれています。
矢田寺へのアクセス
京都府京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町523
地下鉄「市役所前駅」下車、徒歩3分
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