お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

六地蔵とは

 

単に六地蔵という場合は六体並んだ地蔵像のことを指します
厄介なのは江戸六地蔵や京都六地蔵という全く別の意味を持つ言葉があることです

さらには京都や滋賀など地名としての六地蔵もありますが、ここでは説明を省きたいと思います

整理して説明しましょう

六地蔵
六体並べて祀られた地蔵像
これは仏教の六道輪廻の思想から来ており、六道のそれぞれを六種の地蔵が救うとする説から生まれたものである
地獄道、餓鬼道、畜生道修羅道、人道、天道を順に檀陀(だんだ)地蔵、宝珠地蔵、宝印地蔵、持地地蔵、除蓋障(じょがいしょう)地蔵、日光地蔵と称する説
金剛願地蔵、金剛宝地蔵、金剛悲地蔵、金剛幢地蔵、放光王地蔵、預天賀地蔵と称する説が多い

ちなみに三途の川の三途とは餓鬼道・畜生道地獄道を意味します

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②京都六地蔵
平安時代の初め小野篁(おののたかむら)が、一度息絶えて冥土に行き、生身の地蔵菩薩を拝して甦った後に、一本の大木から六体の地蔵菩薩を刻み、大善寺六地蔵)に祀ったといわれる
また六地蔵巡り(8月22日・23日の両日に、都の入口(旧街道)六ヵ所にあるお地蔵さんを巡拝して、家内安全、無病息災を祈願する)の風習は平清盛が保元年間(1156-1159)に西光法師に命じ、都を往来する旅人たちの路上安全、庶民の疫病退散、福徳招来を願って、都に通じる主要街道の入り口に地蔵堂を建て祀ったことから生まれたとされている

六つの地蔵尊
1.奈良街道-大善寺-伏見六地蔵

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2.西国街道-浄禅寺-鳥羽地蔵

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3.丹波街道-地蔵寺-桂地蔵
4.周山街道-源光寺-常盤地蔵
5.若狭街道-上善寺-鞍馬口地蔵

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6.東海道-徳林庵-山科地蔵

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江戸六地蔵
宝永から享保年間にかけて江戸市中の6箇所に京都の六地蔵に倣って江戸深川の地蔵坊正元が造立した地蔵菩薩坐像のことである。


かつては深川の地蔵坊正元発願の江戸六地蔵と、東都歳時記による江戸六地蔵との二つがあったが、東都歳時記による江戸六地蔵はいつの頃か廃れ、江戸地蔵といえば、深川の地蔵坊正元発願の江戸六地蔵を指すようになった。

地蔵坊正元は25歳の時難病を患い、苦しんでいた折に、地蔵菩薩に一心に祈願する父母の姿に心打たれ、自身も一心に祈願し、ご利益を得られたなら多くの地蔵尊の造立を誓いました。

その後不思議な霊験によってたちまち全快しました
誓願の通り地蔵尊の造立を発願して江戸庶民から寄進を募り、江戸御府内の入り口6か所に京六地蔵にならって造立しました

天下安全と武運長久御城下繁栄と諸国往来する人々と永世縁を結ぶことを祈願されてのことです

六つの地蔵尊
1.東海道品川寺

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2.奥州街道東禅寺

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3.甲州街道-太宗寺

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4.中仙道-真性寺

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5.水戸街道霊巌寺

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江戸六地蔵の番号はお参りの順番です
順不同で回っても差し支えはありませんが、江戸時代は品川の海辺から山の手を回り、最後が江東の海辺になっており、江戸を一周り囲み守ることになるのです

江戸六地蔵 地図


6.千葉街道-永代寺 *廃仏毀釈で廃棄、永代寺の代仏として浄名院

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ちなみに東都歳時記による江戸六地蔵

千駄木専念寺

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新堀浄光寺

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(以下現存せず)

下谷心行寺、福聚院浅草寺正智院、駒込瑞泰寺(石造を代仏)となっています。

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