以前当ブログで「廻り地蔵」という町内の家を順番に回していく風習を紹介しました。
今回は静岡県島田市落合の珍しい風習を紹介したいと思います。
お地蔵さんを抱え当番制で家で安置する点は「廻り地蔵」に似ているのですが、島田市落合では何と!お地蔵さんと添い寝するということなのです。
一体どうしてこのような風習が生まれたのでしょうか?
【目次】
おきき地蔵尊とは
文化6年(1809)の頃、静岡県島田市で疫病が流行りました。
そこでお地蔵さんを祀りお祈りすると、疫病が次第に収まりました。
お地蔵さんおご利益があったからだと、お願いをする人が増え評判となりました。
このことから、このお地蔵さん(矢崎地蔵尊)を「おききの地蔵」と呼ぶようになりました。
※おきき地蔵尊は平成31年3月28日しまだ市民遺産に認定されました。
お施餓鬼
おききの地蔵さまは、現在まで毎年お施餓鬼がなされ、大切に守られてきました。
お施餓鬼とは餓鬼道で苦しむ衆生に食事を施して供養する仏教における法会の名称です。
いつからか輪番制の当番家に26kgものお地蔵様をかかえてお連れし、念仏供養のあと一晩安置するようになりました。
家族が寝るときにはお地蔵様も横に寝かせ、朝に再び起こし、朝食をお供えした後に祠に戻します。
この行事は島田市落合の矢崎西班の13戸によって営まれており、毎年8月24日に実施されます。
なぜ寝泊り風習が生まれたのか?
それではどうしてお地蔵さんを当番制で寝泊まりさせる風習が生まれたのでしょうか?
結論としては、色々調べてみましたがはっきりした理由は分かりませんでした。
しかし疫病を収めてくれたお地蔵さんに感謝する気持ちから生まれたということは想像に難くありません。
ちなみにこの風習は、テレビ朝日系「ナニコレ珍百景」で令和元年10月に「お地蔵さんを自宅に持ち帰って布団で眠らせる集落」として放映されました。
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