【目次】
おりつ地蔵尊
昭和七年当町で、肉親のために尊き生命を絶たれたとゆう悲惨事があった。
其れは或る貧困の家庭に五人の子供があり、その三女律子を他家へ養女として出したものの、五才の時故あって実家に戻されたが、何故か両親は何の罪科もない律子を虐待し、果ては実父がなぐり殺して、その死体を床下に埋めたが、約一ヶ年余の後に父親の胸に、頑是ない少女の浄き魂がよみがへり、良心の呵責に堪えかねて、亀有警察署に自首した。
同じ人の子と生まれながら肉親の慈愛にも恵まれず、反って憎しみの的となり責苦の果てはかなく世を去った律子を隣り近所の人々の同情は世の中の大なる声となり、涙と共に涌き出でて遂に有志相寄りおりつ地蔵尊を建立する事となった。
これに詣でて吾子の無事を祈る人々に御利益が授けられた。
これが現在のおりつ地蔵尊であります。
読んでいるうちにいたたまれない気持ちになってしまいます。
残念ながらこのような悲しい理由で、たてられたお地蔵さんも少なからず存在します。
このような悲惨な事件がなくなる世の中になることを祈るばかりです。
寅さん像
さくら像
とらやで草団子をいただきました。
おりつ地蔵尊へのアクセス
東京都葛飾区柴又4-8