お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

火防地蔵(長安寺)

新宿区信濃町長安寺に火防地蔵と呼ばれるお地蔵さんがいます
名前から察するに火を防ぐ(火災防止)にご利益のあるお地蔵さんなのでしょうか?
お寺を訪問するとともにその由来などを調べてみました

 

目次

火防地蔵について

山門をくぐって境内に入ると、地蔵祠に収められた「火防地蔵」さまがいらっしゃいました
火防地蔵の名前の由来について、掲げられていた掲示板より引用します

長安寺の地蔵祠

弘化2年(1845年)に起こった青山大火災(現明治記念館付近より出火)のおり、この寺の門前にあった地蔵尊の前で火勢が止まり、それにより当寺門前はもちろん四谷方面が火災から免れた。


以来「火防地蔵」と呼ばれるようになった。なお現在の火防地蔵はこの災害の供養の為、弘化3年に造られたものである。

 

火防地蔵

長安寺の基本情報と歴史

長安寺は浄土宗のお寺山号深谷
天正15年(1587)心蓮社利貞上人が市谷本村町に創建、この地に移転されたのは明暦2年(1625)のことです
これは元々お寺があった土地が尾張徳川家の御用地とされたためです
本尊は阿弥陀如来

長安寺 山門

長安寺 本殿

子育て地蔵尊 長安寺

子育て地蔵尊も見つけました

cyoanji-yotsuya.com

長安寺で行われる主な行事

  • お施餓鬼法要(5月22日)
    施餓鬼法要とは字の如く、餓鬼に施す法要です。
    お釈迦様の弟子阿難が餓鬼にあと3日の命いわれお釈迦様に相談したところ、一切の餓鬼に施すようにいわれ、そうしたところ命をとりとめることができました。
  • お盆法要(7月初旬の土曜日)
  • 十夜法要(11月初旬の土曜日)
    浄土宗が拠り所とする浄土三部経の一つ『無量寿経』に十日十夜の善のなすことの功徳がとかれています。
    また秋に行われることから収穫にたいする感謝の法要にも通じています。
    お経の中でもこの世で行う善は、仏の国での百倍もの価値があり、現世利益も生まれると記されています。

長安寺へのアクセス

新宿区信濃町2-8

JR総武線 信濃町駅より徒歩5分
東京メトロ 丸ノ内線 四谷三丁目駅より徒歩5分

地蔵菩薩立像 大和地蔵十福霊場会 

お地蔵さんはお寺や路傍にいるのが一般的です
しかし今回は奈良物産展に立っていた珍しいお地蔵さんを紹介したいと思います
彩色が施された実に色鮮やかなお地蔵さんでした

地蔵菩薩立像

大和地蔵十福霊場会とは

このお地蔵さんは、元々ある篤信家によって大和地蔵十福霊場会に寄進されたものとのことです
大和地蔵十福霊場会とは一体どういう会なのでしょうか?


大和地蔵十福霊場会の公式ウェブサイトによると、延命地蔵経に説かれている地蔵十福にちなんで、大和に点在する十ヶ寺の地蔵菩薩を巡拝・満願していただき、十福の御利益を授かっていただこうという趣旨で平成二十三年六月一日に発足した会とのこと

地蔵十福とは

  • 女人泰産(健康で聡明な子供の安産が叶います)
  • 身根具足(健全な心と身体を授けて下さいます)
  • 衆病悉除(さまざまな病気を取り除いて下さいます)
  • 寿命長遠(元気で長生き出来るようにして下さいます)
  • 明智慧(素晴らしい知恵を授けて下さいます)
  • 財寶盈溢(金銭に困らない生活を与えて下さいます)
  • 衆人愛敬(誰からも慕われる人にして下さいます)
  • 穀米成熟(食べ物に不自由しない環境に恵まれます)
  • 神明加護(災難に遭わないように護って下さいます)
  • 證大菩提(極楽に行くことを約束して下さいます)


大和に点在する十ヶ寺の地蔵菩薩を巡ってお祈りすることで、この十福のご利益があるとのことです

 

十ヶ寺とそこに安置されている地蔵については、大和地蔵十福霊場会の公式ウェブサイトに詳しく記載があります
実に見ごたえのある地蔵ばかりですので、是非巡礼したいものだと思いました

地蔵菩薩立像について

この地蔵菩薩立像は、ある篤信家によって大和地蔵十福霊場会に寄進されたヒバ材製の素木像に、東京藝術大学教授・薮内佐斗司先生監修のもと同研究所にて塗漆・彩色を施したものです。
御像本体の彩色は快慶作・東大寺公慶堂地蔵菩薩立像を、また台座は長谷寺地蔵菩薩立像(絹本着色)のものを参考にしています。
木地下地に黒色の掃墨漆(はいずみうるし)を塗布し、光背や胸飾り、宝珠には漆箔を施しています。
さらに白土下地のうえ「紺丹緑紫」という配色原理に沿って配色し、稜線にはごく細く裁断した金箔を貼りつける「戴金(きりかね)」で加飾しています。
袈裟の条葉の深い藍色には、群青の中でも特に貴重な「紺青」と呼ばれる顔料を用い、御像をより美しく荘厳しています

地蔵菩薩立像の掲示板より引用)

大和地蔵十福霊場会 地蔵菩薩立像のある奈良まほろば館へのアクセス

中央区日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル1F・2F


東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅」(A1出口上がってすぐ)

お化け地蔵(松吟寺)

台東区橋場というあまり聞き慣れない場所に「お化け地蔵」という珍しい名前のお地蔵さんがいるということを知り、行ってきました。
いったいどうしてこんな名前が付けられているのでしょうか?
そしてお化け地蔵が3メートル余りの巨大なお地蔵さんということにも驚いてしまいました。


【目次】

お化け地蔵とは

お化け地蔵

お化け地蔵の名前の由来には、かつて大きな笠をかぶっていて、その笠が向きを変えたから
高さ3メートル余りと並外れて大きいからなど諸説あるみたいです。


巨大なお地蔵さんといえば、江戸六地蔵(270㎝前後)首切り地蔵尊(4メートル近く)を思い出しますが、お化け地蔵もなかなかの大きさです。

 

jizo-bosatsu.hatenablog.com

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お化け地蔵は、享保6年(1721)の建立。
関東大震災で二つに折れたが、補修し現在にいたっています。補修の際には頭部も取り換えられたとのこと。
常夜灯は、寛政2年(1790)に建てられた。

 

地蔵尊の石碑

松吟寺の基本情報と歴史

一見して路傍のお地蔵さんと思ってしまいますが、お化け地蔵は松吟寺というお寺の境内にあります。
松吟寺は曹洞宗のお寺で、寛永2年に総泉寺の庵室松吟庵として創建されました。
開山は前永平勅特賜大智恵光禅師円月江寂

 

元来この一帯は、室町時代以来、禅宗の総泉寺の境内でした。
門前一帯に立っていた大きな石地蔵(お化け地蔵)を維新の際に総泉寺入口に移したとのこと。

 

その後総泉寺は、昭和4年板橋区へ移転しました。
「お化け地蔵」近くにある「元総泉寺境内諸仏供養の為」の碑は移転に際し建てられたものと思われています。

 

松吟寺とお化け地蔵

お化け地蔵へのアクセス

東京都台東区橋場2-5-3

 

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