お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

台湾お地蔵さん探しの旅3 艋舺地蔵庵

台湾お地蔵さん探しの旅も今回が一旦完結編となります
3泊4日で台北周辺しか回れませんでしたが、まだまだ台湾にはたくさんのお地蔵さんがいます
機会があればまた再訪して紹介したいと思います

 

今回紹介するのは台湾を代表するパワースポット龍山寺」の近くにある地蔵王です
夜に訪れた龍山寺はライトアップされていてとても奇麗でした

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龍山寺は観光地として著名ですが、通りを隔てたすぐ近くにあるので、ついでに訪れてみてはいかがでしょうか?

蔵王廟は道教の廟で、正式には艋舺地蔵庵と呼ばれ、地蔵王菩薩を主祀とする台湾三級古跡です

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地蔵を主祀とするんだから道教の廟かと思いきや、台湾では道教と仏教は強い結びつきがあり、このようなことは珍しくないみたいです

1760年に建立1838年に修復されました
清朝中期の寺院建築様式で建築構造や装飾自体はシンプルなものとなっています
元々民間の私有財産でしたが、現在の管理権は龍山寺にあります

本尊の地蔵王菩薩
神々しく光り輝いております

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毎年旧暦の7月30日の地蔵王菩薩の誕生日には盛大な式典が行われます

台湾のお地蔵さんは我々がイメージするお地蔵さんと違って、石仏ではなく、赤い涎掛けはなく、黄金に光輝いていました
姿が違うのにはこういった理由があるからです

 

中国に元々あった死後の世界(冥界)という概念に後に伝わった仏教の地獄という世界観が結び付き、冥界と地獄が混同されるようになりました
その際に死者を裁く十柱の神「十王」という概念が生み出されました。十王の中には閻魔王も含まれています


地蔵菩薩が地獄行きとなった亡者を救うという信仰が生まれ、閻魔王地蔵菩薩の化身であるという考えが生まれ、その結果閻魔王と地蔵王菩薩が結び付いたものが地蔵王菩薩ということなのです

お地蔵さんと閻魔様が同一人物だということは以前この記事でも触れました

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

【アクセス】

108台北市萬華區西昌街245號

 MRT龍山寺より徒歩3分

台湾お地蔵さん探しの旅2 臨済護国禅寺、圓山地蔵庵

先日投稿した記事を読んでもらえばわかるかと思いますが、台湾のお寺は日本のお寺と随分違う印象を受けます

台湾、福徳宮

こんな感じのお寺ばかりです、屋根の上に龍がいることが多いです

台湾には日本っぽいお寺はないのか?
いえいえ探せばあるんです

台北市中山区の旧円山町に位置する臨済護国禅寺は臨済宗妙心寺派のお寺です
日本統治時代の1900年に建立が開始され、1911年に落成しました
山門や大雄宝殿などは江戸時代の典型的な仏寺の建築様式で建てられた為、日本のお寺と見間違えてしまうくらいです

台湾、臨済護国禅寺、山門

山号 鎮南山
院号  
寺号 臨済護国禅寺
宗派 臨済宗妙心寺派
本尊 釈迦牟尼仏
創建 1901年
開基 梅山玄秀
その他 台湾三十三観音霊場第一番、台北市指定古蹟


お寺の面積は広く、山が近くそばには基隆河が流れていることから、自然に囲まれ落ち着いた雰囲気があります

大雄宝殿は檜を使った木造の入母屋造で本堂を囲んでいる石の柵には、日本人の名前が刻まれています

台湾 護国禅寺 大雄宝殿


日本統治時代に台湾で亡くなった人の名前で、いわばお墓の代わりのようなものとなっているみたいです
2007年には日本から瓦を取り寄せて修復工事がされ、現在でも保存状態は良好です
お堂の中もこんな風に日本風の造りです

台北、臨済護国禅寺,大雄宝殿

中には「地蔵王菩薩像」
やっぱりこちらは日本のお地蔵さんとは違って金ぴかに光り輝いています

台北、臨済護国禅寺,大雄宝殿お堂

台北、臨済護国禅寺,地蔵王菩薩

こちらの門をくぐって小高い山を登っていくと広場となっており、9体の石仏が祀られているとのこと
そこには子のお寺の開祖である梅山玄秀も祀られているそうです
この日は歩き回っていて疲れていたので、上まで登らなかったことが悔やまれます

台北、臨済護国禅寺,入解脱門

日本統治時代には台北市内には、ほかにも善導寺、東和禅寺の2つの日本式大型仏教の本堂がありました
しかし共に取り壊されてしまい、現存するのはこの臨済護国禅寺だけとなってしまいました

【アクセス】
台北市中山区玉門街9号
MRT圓山駅より徒歩5分

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臨済護国禅寺を玉門街に沿って圓山駅とは逆に進んでいくと「圓山地蔵庵」というお寺があります
この建物の二階に地蔵庵があります

台北、圓山地蔵庵

昭和5年に地元の人の発起で建てられたとされています

お堂の中にはお地蔵さんがたくさん陳列されていました
肌の色が金色ではなく、肌色であったのが今まで台湾で見たお地蔵さんとは異なっていました

台北、圓山地蔵庵、数々のお地蔵さん

こちらの「地蔵」というたすきを肩からかけている人は果たしてお地蔵さんなのでしょうか?

知っている人がいたら教えてください

台北、圓山地蔵庵、謎の人物

【アクセス】
台北市中山区
MRT圓山駅より徒歩10分

 

台湾お地蔵さん探しの旅1 淡水龍山寺、淡水清水嚴祖師廟編

「海外にもお地蔵さんはいるの?」
そんな疑問を持つ人もいると思います

もちろん海外にもお地蔵さんはいます
ただし日本のお地蔵さんのイメージとは、ずいぶんかけ離れている姿をしています

少しまとまった休暇が取れたので、台湾へ観光と地蔵探しの旅に行ってきました
お地蔵さんブログも遂に海外進出ということになります(笑)

最初に紹介するのは「淡水」
美しいサンセットが有名で「東洋のベニス」と称されることもあり、台北からわずか40分というアクセスの良さもあって訪れる観光客も多い人気の観光地です

残念ながら訪れた時間が早かったので、夕陽を見ることはできませんでした
この海岸沿いを歩くのが定番

台湾、淡水

台湾、淡水、リバーサイド

お土産物屋さんも多い「老街」

台湾、淡水、老街

お地蔵さんのいる龍山寺はメイン通りの中正路を一本奥に入ったまるでアメ横のような雰囲気の清水街の奥にありました

台湾、淡水、清水街


台北にも龍山寺というお寺がありますが、淡水の龍山寺は比較すると少しこじんまりしたイメージ
(台湾には龍山寺と名の付くお寺が全部で5か所あるそうです)

淡水龍山寺は1858年に建立され、中国福建省泉州龍山寺より分霊を受けています。
本尊は観音菩薩

台湾、淡水、龍山寺


1884年にフランスと戦争になった際には、戦場となりましたが龍山寺は難を逃れたことから人々の信仰を集めました
その際に観音の守護のお礼として奉納されたのが「慈航普渡」と書かれた額です

台湾、淡水、慈航普渡

こちらが地蔵菩薩

台湾、淡水、お地蔵さん

台湾、淡水、地蔵菩薩像

金色に輝き、派手な装飾品をつけたその姿は、日本のお地蔵さんとはまるで別人
かつて訪れた横浜の中華義荘の地蔵王菩薩に近いかもしれません

jizo-bosatsu.hatenablog.com

【アクセス】
新北市淡水鎮中山路95巷22号

MRT淡水駅より徒歩5分

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もうひとつ淡水清水嚴祖師廟という道教のお寺でもお地蔵さんを見つけることができました

台湾、淡水清水嚴祖師廟

主祭神である清水祖師は宋の時代の普足和尚という禅僧が民間の間で神様として信仰されるようになったものとされています

この普足和尚がなぜ民間人に信仰されるようになったかというと、インフラ設備に尽力したからだといわれています

淡水清水嚴祖師廟のお地蔵さん

淡水清水嚴祖師廟の地蔵菩薩

やっぱり派手派手しいお地蔵さんでした

【アクセス】

251新北市淡水區清水街87號

MRT淡水駅より徒歩10分

 

最後に淡水グルメをひとつご紹介

台湾、淡水、可口魚丸


可口魚丸というお店の魚丸湯(魚のすり身ボールのスープ)
胃にやさしい味で絶品!肉包と一緒にどうぞ