お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

お地蔵さんの見分け方

 

この記事が記念すべき?50記事目となります

今回は久々にコラムを書いてみようかと思います

 

お寺などにお地蔵さん探しに行くと「果たしてこの石仏はお地蔵さんなのか?」と悩むことがあります
以前に地蔵と銘打たれていても、実は違っていたりすることがあるということを記事にしたことがあります

jizo-bosatsu.hatenablog.com


僕自身も判断に悩むケースも多々あります
その場合はどういったことに注目するか、幾つかお地蔵さんの特徴をあげながら説明したいと思います

1.「錫杖(しゃくじょう)」と「如意宝珠」を持つ

 

錫杖とは遊行僧が携帯する道具(比丘十八物)の一つである杖
銅や鉄などで造られた頭部の輪形に遊環(ゆかん)が6個または12個通してあり、音が出る仕組みになっています
猛犬や野獣から身を守る護身用の武器であると同時に家人に来訪したことを知らせる役割もあります
長さは通常170cm前後であるとされています

如意宝珠とは仏教において霊験を表すとされる宝の珠のこと
一般的な形状は下部が球形、上部が山なりに湾曲して尖っています。

どちらも実際の地蔵菩薩像を見てもらうと分かりやすいでしょう

僕はまずこの二つの持ち物に着目します
しかし例外もあって制作年代が古い地蔵は錫杖は持っておりません(例:法隆寺地蔵菩薩立像,勝軍地蔵)

2.赤いよだれかけをしている

 

これは以前記事でも紹介しました

jizo-bosatsu.hatenablog.com


まずお地蔵さんの特徴としてこの赤いよだれかけを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
僕は①と②の条件を満たした段階でほぼお地蔵さん認定を出してしまいます

3.坊主頭である

 

仏像(如来像)には奈良の大仏を思い浮かべてもらえれば分かりやすいと思うが、螺髪と呼ばれる丸まった髪の毛は頭部にある

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対してお地蔵さんは基本的に坊主頭である
そして白毫(びゃくごう)と呼ばれる白く長い毛が眉間のやや上に丸まって生えている場合も多い
下記イラスト赤丸部分です

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4.服装は袈裟、派手な装飾具は身につけない

 

地蔵以外の菩薩(弥勒菩薩観音菩薩など)が冠、首飾りなどの装飾品を身につけているのに対して、お地蔵さんは1で紹介したの持ち物以外はほとんど身につけていない
また服装も袈裟など質素なものであることが多い
これはお地蔵さんが庶民的な菩薩であることと関係があるのかもしれませんね

1~4の条件を全て満たしていれば、まずそれはお地蔵さんだとみなして良いのではないでしょうか?

六地蔵、地蔵菩薩像(西有禅寺)

 こちらは地蔵王廟に向かう途中で見つけた曹洞宗のお寺です。

 

西有禅寺と書かれていますが、西有寺(さいゆうじ)と略して呼ばれることが多いみたいです。

西有寺の基本情報

西有寺は太田治兵衞が萬德寺を開山した勅特賜直心淨國禪師西有穆山禪師に当地を寄進
明治33年に萬德寺別院と称して創建、明治34年に中郡吾妻村二ノ宮光明山善光寺(二ノ宮大應寺第五世舜桐が寬永元年に創建)の寺籍を移して、西有穆山禪師を初世に仰いで西有寺と号して開山したものとされています。
(引用:猫のあしあと

 

本堂

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西有寺のお地蔵さん

六地蔵

 

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こちらのお寺では六地蔵とちっちゃなお地蔵さんを見つけることができました。

西有寺へのアクセス

横浜市中区大平町96

最寄り駅:JR根岸線 山手駅より徒歩13分、石川駅より徒歩14分

 

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あごなし地蔵尊、咳(しわぶき)地蔵尊(広済寺)

川越にはまだ風変わりなお地蔵さんがいます。
以前の記事では川越さつまいも地蔵尊を紹介しましたが、広済寺という曹洞宗のお寺には虫歯や歯痛に霊験がある「あごなし地蔵尊そして咳きや喘息に効果があるとされている「咳(しわぶき)地蔵尊があります。

広済寺の基本情報

広済寺は天文17年(1548)に当時の川越城主・大道寺政繁が建立し、広庵芸長師が開山した曹洞宗のお寺です。

地蔵の他にも門には天狗の羽うちわが刻まれています。
これはかつて古木が生い茂っていたお寺の周辺の杉の老木に天狗が住んでおり、火事になると羽うちわを使って火を消してくれるという言い伝えがあるからなのだとか。

山門

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本堂

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本堂は、寄棟造・桟瓦葺の風格ある建物となっています。

 

寺号標

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広済寺のお地蔵さん 

無腮地蔵尊(あごなし地蔵)

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あごなし地蔵はその名の通り、あごがないという珍しいお地蔵さん。

 

歯痛治療を願った地蔵は全国にたくさんあります。
腮がないから歯痛もない。

歯痛治療を願う故に腮を欠いて建てたと言うのが大筋の理由です。

古くは小野篁(802~852年 平安初期の漢詩人、歌人、参議等)が遣唐使渡航失敗や拒否で隠岐に流された折、思いを寄せた人の歯痛平癒のため建てたと言われています。

治癒礼として、「あごなし地蔵さまへお願いすると治ります。」という仮名まじり金釘流の文字で書いた張り紙を貼ったそうです。

歯痛祈願する習俗は島根・新潟・岐阜・長野・神奈川等に多く、この地蔵尊は全国異称地蔵一覧 日本寺院名鑑地」に明記されていますが、制作年代等の詳細は不明です。

 

以上境内の掲示板より引用しました。

 

お咳(しわぶき)地蔵尊

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咳(しわぶき)地蔵尊は地蔵と銘打っているものの、正確には石仏みたいです(もはやお地蔵さんの原型ないですもんね)


しわぶきとは咳の古い言葉で、縄で縛って願かけをして願いが叶ったら縄を解いてお茶やお菓子などをお礼として供えます。

 

江戸の初め上州厠橋の浪人が北町(喜多町)に住んでいました。
ある夜異様な気配を感じて帰宅し、不思議に思い部屋を見ると片隅に三尺程の石仏らしきものがあったそうです。
翌朝俗家に置くのは如何と思い、石仏を広済寺に納めました。

数日後、風邪や喘息で長患いの豪商綿屋の娘が石仏に霊感を感じ、荒縄を巻き付け百日間の願掛けをしたところ、百日も経たずに全快しました。
お礼にお茶と入り豆を納めたそうです。

この話が近隣で評判となり、風邪・百日咳や咳の病の時には、縄で石仏を縛りお参りするとご利益があり、病が治ると縄をほどき、お茶と入り豆、明治以降は金平糖をお供えしたそうです。

 

こちらも境内の掲示板から引用しました。

 

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お地蔵さんのある広済寺は蔵造りの町並みのはずれにあり、ここまで来ると観光客の姿もかなり少なくなります。

 

広済寺へのアクセス

川越市喜多町5-1

最寄り駅:東武東上線・JR川越線 川越駅より徒歩25分、西武新宿線 本川越駅より徒歩18分

 

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