銀座はお地蔵さんが少ないエリアです
しかし少し足を延ばしてみると、路傍のお地蔵さんをいくつか見つけることができます
【目次】
新富 消防地蔵尊 縁起
昭和16年(1941)2月13日の深夜、この地に在った家具製作所から出火しました。
折からの強風に煽られ、火は7棟・170余坪(567㎡)を焼尽くしました。猛火の中を、逃げ遅れた女子従業員を救出しに入った少年を含め、3名の若い命が失われました。
翌17年(1942)4月、跡地に京橋消防署新富町出張所が設立され、地域防災の任にあたりました。
然しながら、出勤した消防隊員に負傷者が続発したり、又「非番なのに望楼へこつこつと登る足音がする」とか「夜中に少女がさめざめと泣く声が聞こえる」などの噂が広まりました。
昭和28年(1953)、消防署と協議し、町会役員・町内有志の発意と芳志により、此処に殉難者の鎮魂と地域の安全を祈願する(新富消防地蔵尊)が建立されました。
以後、さしたる災害もなく、平成に入り、競売消防署の新富町出張所はその任を終えましたが消防地蔵尊はそのまま存続し、昔を知るお年寄りの他、各種の願い事を祈願する人々の参詣も多く、今日に至っております。
少し前に火伏せ地蔵というお地蔵さんを紹介したことがあります
火事など火にまつわるお地蔵さんも探せばまだまだありそうな気がします
新富 消防地蔵尊へのアクセス
中央区新富1-7-1
有楽町線 新富町駅より徒歩3分
銀座線 銀座駅より徒歩12分
都営浅草線 宝町駅より徒歩6分
日比谷線・京葉線 八丁堀駅より徒歩5分
八丁堀と京橋の間に宝橋という橋が架かっています
この地にはかつては楓川という八丁堀舟入から日本橋への重要な舟運路がありました
前の東京五輪の際に楓川は埋め立てられ、川底は首都高1号線になりました
宝橋の上にある楓川宝橋公園にほとりにある地蔵祠
その祠の中に宝地蔵尊はいらっしゃいます
宝地蔵尊とは
昭和29年(1954)夏の午後6時55分、当時8歳の児童が楓川に落ちて亡くなりました
その児童を供養し、二度と悲惨な事故が起こらないよう祈願する為に建てられたお地蔵さんです
地蔵祠のそばには交通安全を願う宝塔が建てられています
宝地蔵尊へのアクセス
中央区八丁堀2-1