
真養寺で見つけた不思議な石像 – 地蔵菩薩?それとも…?
寺社の入り口などで、穏やかな表情で佇む石像を見かけることがあります。
多くの方が、その姿から「お地蔵さん」という愛称を思い浮かべるのではないでしょうか。特に、道行く人々を見守るように安置されている石像には、親しみやすさを感じますよね。
日蓮宗寺院では珍しいお地蔵さん
しかし、日蓮宗のお寺においては、一般的に地蔵菩薩像を見かけることは比較的少ないと言われています。
地蔵菩薩は主に、釈迦如来が入滅してから弥勒菩薩が出現するまでの間、この世に現れて人々を救済するとされる菩薩です。
一方、日蓮宗では、法華経こそが釈迦如来の真髄の教えであり、その法華経を広めた日蓮聖人を宗祖と仰ぎます。
そのため、信仰の中心となる仏様や菩薩様が、他宗派とは異なる場合があります。
この記事では南千住にある真養寺というお寺で出会った不思議な石像について紹介したいと思います
真養寺
真養寺の基本情報
真養寺は日蓮宗のお寺で、山号は運千山。
萬冶2年(1659)自性院日身が開基となり運千山自性寺として創建。
元禄2年(1689)下谷上野町廣布山真養寺と、当地で合併。
その際に現在の寺号に改められました。
山門

本堂

真養寺山門に佇む石像の正体
荒川区南千住にある真養寺の山門脇にも、訪れる人々を迎えるかのように、静かに佇む石像があります。
私も初めて真養寺を訪れた際、その優しい雰囲気に、思わずお地蔵さんのように感じました。しかし、よく見るとその像には、一般的なお地蔵さんとは異なる特徴があります。
実は、この石像はお地蔵さんではなく、「浄行菩薩(じょうぎょうぼさつ)像」というお名前の菩薩様なのです。
水徳で衆生を済度する浄行菩薩
仏教において菩薩とは、覚りの境地を求めて自ら修行しながらも、人々の教化と救済を誓願する存在です。
その中でも浄行菩薩は、水徳によって来世の衆生済度を誓願するとされています。
つまり、水を通じて人々の苦しみを癒し、救済するという深い願いを持たれているのです。また、病に苦しむ人がその患部を清めて祈願すると、たちまち快方に向かうという霊験あらたかな菩薩様としても知られています。
真養寺に安置されている浄行菩薩像は、当山第三十一世期本堂の建立にあたり、檀信徒家の篤い信施によって造立されました 。
そして現在、山門の脇に安置されているのは、檀信徒だけでなく、真養寺と縁のない通行人にも、お像に水をかけ、手を合わせてもらえるようにとの願いが込められています 。当初より「浄行さん」の呼称で親しまれてきた、このお像への信仰を再び取り戻したいという思いが込められているのです。
興味深いエピソードとして、近年、各地の寺院で仏像などが汚されるという悲しい出来事が起こる中、真養寺の「浄行さん」は門外に安置されているにも関わらず、一度もそのような被害に遭っていないそうです 。
これは(本来はそれが当然なのですが)現代にあってはとても誇り高いことで、まさに「浄行」という名前に適したお像であると言えるでしょう 。
真養寺を訪れた際には
真養寺を訪れた際には、山門で優しく佇む浄行菩薩像に、ぜひお水をかけ、静かに手を合わせてみてください。きっと、清らかな気持ちになれるはずです。そして、日蓮宗のお寺では珍しいお地蔵さんではなく、水徳によって私たちを救済しようと誓願する浄行菩薩がいらっしゃることを、心に留めてください。
真養寺へのアクセス
荒川区南千住5-44-4
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