北鎌倉の明月院はアジサイの名所として知られ、約2500株のアジサイが植えられています。
明月院ブルーと称されるその美しい青色の花々に、5月上旬から7月上旬までの開花時期には多くの人で賑わいを見せます。
明月院は元来禅興寺というお寺の塔頭で、足利義満の時代には禅興寺は関東十刹の一位となるも明治初頭に廃寺し、明月院だけが残りました
六国見山の麓に位置し、その山に挟まれた境内は自然と調和しており 、徘徊すると花や樹木と調和のとれた建物の景観の美しさに息をのむことでしょう。
寺号標
山門
明月院の基本情報
山号 | 福源山 |
院号 | 明月院 |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
本尊 | 聖観音菩薩坐像 |
創建 | 応永元年(1394年)以前 |
開山 | 密室守厳禅師 |
開基 | 上杉憲方 |
その他 | 鎌倉観音霊場第三十番 |
明月院の歴史
この地の武将で平治の乱で戦死した山内首藤経俊によって創建。
その約百年後、康元元年(1256)鎌倉幕府第五代執権北条時頼公によって、この地に「最明寺」を建立(現在、明月寺の北西の場所)
言うなれば時頼の別業の仏堂です。
後に方丈時宗(時頼の子)によって最明寺を前身として「福源山禅興仰聖禅寺」を再興。
開山は蘭渓道隆禅師(大覚禅師)
康暦二年(1380)時の関東公方足利氏満が官領上杉憲方に禅興寺の中興を命じ、伽藍を完備、寺域を広大にし、支院を配置させた。
足利三代将軍義満天下の時、大寺院を選ぶにおいて禅興寺を関東十刹の一位とする。
明月庵は「明月寺」と改められ支院の首位におく。
中興買開山は大覚禅師の五世法孫の位置にある密室守厳禅師。
本尊聖観世音菩薩。
禅興寺は明治初年に廃寺となり、明月寺のみを残し、今日に至ります。
こちらには花想い地蔵というお地蔵さんがいて、先日紹介した長谷寺の和み地蔵や良縁地蔵と同様、インスタグラムでもよく見かけるお地蔵さんです。
花想い地蔵
アップにするとけっこうハンサムな顔立ちをしています
このお地蔵さんと共にインスタにアップされるのが方丈と呼ばれる本堂にある円窓(悟りの窓)です。
窓の向こうに見えるのがで紅葉や新緑など時期によって見せる表情を変えます。
なお本堂裏庭園は花菖蒲が開花される時期にしか庭園中に入ることはできません。
方丈
枯山水の庭園
須弥山を形どり仏教観を表現しています
岩を掘りぬいた墓室(明月院を開基した憲方の墓とされる宝篋印塔を安置)
墓室には近づくことはできませんが、お地蔵さんを見つけることができました。
瓶(つるべ)の井
鎌倉十井のひとつ。
岩盤を垂直に掘り抜いて造ったとみられ、その内部が水瓶のようにふくらみがあることから「瓶の井」と呼ばれ、鎌倉十井の中でも現在使用できる井戸としては数少なく、貴重な存在となっています。
開山堂
明月院を開山した密室守厳像が祀られています。
北条時頼のお墓
背丈が違う6地蔵
下の写真は紫陽花の時期に再訪した際のものです。
こんなカラフルなお地蔵さんも
こちらのお地蔵さんもアジサイの時期には、よだれかけが鮮やかな青色に変わります。
本堂裏庭園
本堂裏庭園では赤地蔵と青地蔵などに出会うことができました。
赤地蔵
青地蔵
うさぎとお地蔵さんの3ショット
ウサギの次は亀!?
明月院は1160年創建の明月庵を起源とするお寺で、境内全体が国指定の史跡となっている見どころの多いお寺です。
花に関してはアジサイだけに注目されることが多い明月院ですが、春は梅と桜が咲き、紅葉の時期も様々な木々が色づきます。
本堂裏庭園では6月上旬から中旬に開花する花菖蒲もとっても見ごたえがあります。
明月院の冊子を頂きました(情報の一部は冊子から引用させて頂きました)
明月院へのアクセス
神奈川県鎌倉市山ノ内189
拝観時間:6月 8:30~17:00、6月以外 9:00~16:00
拝観料:300円(6月は500円)