お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

日限三体地蔵尊(西雲寺)

川越でのお地蔵さん探しは二回目です。
お寺の多いエリアですので、今回もたくさんのお地蔵さんと出会うことができました。

この記事で紹介するのは「三体地蔵尊
お地蔵さんといえば六体並んでいるのが定番ですが、このお地蔵さんはなぜ三体なのでしょうか?
その謎を解明していきたいと思います

西雲寺の基本情報

西雲寺は浄土宗のお寺で、山号は佛名山、院号は常行院。
開山は般舟三昧院西雲法師、本尊は阿弥陀如来像。
創建された年代は資料焼失の為、不明となっています。

 

なお寺号の西雲寺は市内の仙波の地に在った阿弥陀堂天台宗寺院)の名称であったと云う記録があります。 このことから後に浄土宗に改宗したものとも推測されます。

西雲寺 正門

山門

西雲寺 山門

本堂

西雲寺 本堂

現在の本堂は、二十四世多譽上人代に、板橋中宿の乗蓮寺(現、赤塚・東京大仏)旧本堂の譲与を受け移築したもの。
昭和51年5月5日に竣工落慶を厳修されました。

板橋区赤塚にある乗蓮寺は以前訪問したことがります。

jizo-bosatsu.hatenablog.com

梵鐘

西雲寺 鐘楼

十一世愍譽代鑄造の銘が付してあります

日限三体地蔵尊

三体地蔵尊へ続く参道

西雲寺 地蔵堂

なぜ三体地蔵尊という変わった名前が付いているのか?
それは西雲寺の公式サイトに答えが書いてありました。

 

引用:西雲寺公式サイト「お地蔵さま」

昔、天正年間(1570年代)に会津藩藩主(現・福島県)第十二代芦名盛氏が、ある日、霊夢により「泥深い葦(あし)の中に埋まっているお地蔵さまを出すべし」との不思議なお告げを受けた。早速、盛氏は家臣を呼び鶴ヶ城城内の沼の中を探させてみると、なんと三体のお地蔵様が出現し、これを時宗西光寺(会津若松)に地蔵堂を建て安置した。(伝:高僧徳一大師作)

引用:西雲寺公式サイト「お地蔵さま

 

三体という名前の由来は分かりましたが、日限(ひぎり)とはどういう意味なのでしょうか?
日限地蔵尊とは、日を限って祈願すると願いが叶えられるといわれているお地蔵さんで全国各地に存在します。

 

西光寺にあった三体の地蔵尊は、現在、西光寺(福島県会津若松市)、松秀寺(東京都港区白金)、法音寺(兵庫県明石市)の三つの寺院に各一体ずつ祀られています。
そういえば松秀寺は訪問したことがあります

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

ちなみに東京浅草の浅草寺の境内に残る最古(1628年)の六角堂は、日限地蔵尊が祀られているとのことです

 

jizo-bosatsu.hatenablog.com

 

残念ながら、浅草寺に訪問した際にはその六角堂を見ることはできませんでした。
今度行くことがあったら、忘れずに見ておこうと思います。

 

西雲寺に納められている三体地蔵尊は、宝暦4年(1754年)小笠原石見侯の藩士松浦嘉太夫次周が、瓜二つの三体のご分身を彫ったものです。

三体揃った三体地蔵尊は珍しく、そのご加護でありましょうか、今は絶滅した流行り病の天然痘に特にご利益があったといいます。

当時は願掛けにお参りした際にお堂にある麻縄、塩をいただいて帰り、麻縄をその病人の首にかけ、塩を飲ませると病気が治ったと言われており、願いがかなった際には貰った分の麻縄と塩を倍にして御礼としてお返しをしたいわれます。

西雲寺 地蔵堂の中

地蔵堂の扉は閉ざされていました。


中には三体のお地蔵さんが鎮座されているとのこと、安産子育、学業成就、身上安全、交通安全、家内安全、商売繁盛当病平癒などのご利益があるそうです。
開帳される日もあるようですので、機会があれば再訪してみたいと思います。

西雲寺で見つけたその他のお地蔵さん

西雲寺のお地蔵さん

西雲寺の地蔵塔

永代供養塔の涅槃堂

永代供養塔の涅槃堂

西雲寺の御朱印

西雲寺の御朱印

西雲寺へのアクセス

埼玉県川越市新富町2-5-4

川越に最も賑わう「クレアモール」という商店街に面する好立地のお寺です
東武東上線・JR埼京線営団地下鉄有楽町線 川越駅より徒歩10分