庚申塔(こうしんとう)とは、中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のことです。
人間の体内には3つの霊が宿っており(魂(コン)、魄(ハク)、三尸(さんし))死ぬと魂は天に魄は地下へと入ります。
しかし残りの三尸は宿主が死んでも自由に動き回れ、60日に一度回ってくる庚申の日に天帝にその人間の悪事を報告しに行くのです。
厄介なことには宿主が起きるころには体内に戻ってしまっているので、そのことに気がつかないのです
三尸の報告如何によっては寿命が縮まってしまうというので、庚申の日には徹夜をして勤行をしたり宴会をしたりするのです。
このことを庚申講(庚申待ち)といい、庚申講を3年18回続けた記念に建立されるのが庚申塔なのです。
庚申塔に彫られている仏さまには青面金剛像が多いのです
これは仏教で庚申の本尊が青面金剛とされているからです。
庚申の申は干支でいうと猿に例えられていることから、三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)が彫られていることも多い
また地蔵像が彫られているケースもあります。
その他にも観音像、仁王像など他の仏さまが彫られている場合が多く、その石仏が地蔵なのかどうかを見極めるのは難しい場合がある。