お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

天王寺とその周囲のお地蔵さん(谷中)

谷中銀座で有名な台東区谷中周辺は、お寺の多いエリア(寺町)となっています
谷中霊園の一角にある天王寺は緑に囲まれ、静かな環境に恵まれています

文化財も多く歴史のある天王寺とその近くで見つけたお地蔵さんを今回は紹介したいと思います


【目次】 


山門

天王寺 山門

向唐門

天王寺 向唐門

天王寺の基本情報

天王寺天台宗のお寺で、山号は護国山、院号は尊重院。
開山は日源、本尊は阿弥陀如来
上野王子駒込辺三十三ヶ所観音霊場9番札所にもなっています

天王寺の歴史

天王寺の歴史は、鎌倉時代後期に日蓮が関小次郎長耀の屋敷に宿泊した事が発端となります。
その際に日蓮に帰依した関小次郎長耀は草庵を作り、弟子の日源が法華曼荼羅を勧請して開山したとされています。
当時の宗派は日蓮宗でした。

 

室町時代には、目黒碑文谷の法華寺(今の天台宗円融寺)から日耀が転住、中興してから永らく栄えました

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寺の存続を望んだ輪王寺宮公弁法親王が慶運大僧正を天台宗1世として迎え、毘沙門天像を本尊とした。なお祖師像など日蓮宗関係の品々は瑞輪寺に引き取られました。

その後本尊は阿弥陀如来と改められましたが、この毘沙門天は谷中七福神の1つとして篤い信仰を集め、今日に至ります。
また慶運大僧正はのちに長野善光寺を中興した人物としても知られています

  • 1700年(元禄13年)寺門維持のため幕府から富くじの興行を許され、目黒不動湯島天神とともに「江戸の三富」に数えられて大いに賑わいました。富くじは1842年(天保13年)に禁令が出されるまで続けられました。

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本堂

天王寺 本堂

毘沙門堂

天王寺 毘沙門堂

天王寺で行われている主な行事

1月1日 修正会
1月1日~10日 谷中七福神めぐり(毘沙門天)
1月初寅 初寅毘沙門天護摩
2月3日 節分会
2月初午 初午稲荷供養
2月15日 涅槃会
3月春分 春彼岸中日法要
4月8日 花まつり
5月15日 日蓮宗歴代供養
6月4日 山家会
7月13日 迎え盆法要
7月16日 送り盆法要
7月20日 施餓鬼会
9月秋分 秋彼岸中日法要
10月20日 地蔵まつり(『地蔵経』読誦)
11月24日 霜月会(大師粥)
12月8日 成道会
12月31日 末法

そのほかにも、2~12月の各3日には毘沙門天護摩供、毎月20日法話会、毎月第4土曜に仏像彫刻会、毎月30日に写経会が行われている
やはり気になるのは地蔵祭りですね、今年は日曜日が該当するので、予定が合えば参加してみたいと思います

天王寺の著名な建造物

銅造釈迦如来坐像 天王寺

ひときわ目立っている銅造釈迦如来坐像、像高は296cmあります
日蓮宗だった時代の1690年に建立されました

境内の中にはお地蔵さんを見つけることができました

学童守護のお地蔵さん(台座には学童の姿が刻まれています)

学童守護のお地蔵さん

お地蔵さん

天王寺へのアクセス

東京都台東区谷中7-14-8 JR山手線・京浜東北線常磐線 日暮里駅南口より徒歩2分
東京メトロ千代田線 千駄木駅1番口より徒歩15分
京成本線 日暮里駅より徒歩2分

天王寺の脇の祠にお地蔵さんをみつけました

天王寺近くの地蔵祠

天王寺近くのお地蔵さん

 

北向地蔵尊(神戸市)

神戸市には中央区北長狭通一丁目にある地蔵ビルには、北向地蔵尊と呼ばれるお地蔵さんが祀られています
そういえば大阪の梅田にも同じ名前のお地蔵さんがあったことを思い出しました

jizo-bosatsu.hatenablog.com

そして地蔵ビルの中のお地蔵さんといえば、吉祥寺御縁地蔵を思い出してしまいます

jizo-bosatsu.hatenablog.com

神戸市にある北向地蔵尊についても、その由来などを調べてみました

神戸 北向地蔵尊

北向地蔵尊の由来

ある時大雨が降って神戸市を流れる生田川が増水し、沿岸の住人は土嚢を積んで堤防の決壊を防ごうとしました
しかし積むべき土嚢は尽きてしまい、さらに流木が土手に引っかかってしまい、今にも決壊してしまいそうです


なすすべがなくなってしまい、その場から撤退を余儀なくされてしまった住民だが、その時に何かを引きづって水の中に沈めるような音を耳にしたといいます

 

翌朝になって住民が堤防に行ってみると、流木が引っ掛かっていた場所に大きな石があって堤防の決壊を防いでいました
そして土手には見覚えのない地蔵菩薩像が鎮座していたといいます

 

住民たちは地蔵菩薩像が堤防の決壊を防いだのだと信じ、生田川の西岸に仏堂を建立し、堤防の方角を向く形で地蔵菩薩像を安置した
以来この地蔵菩薩像は北向地蔵尊と呼ばれているのだとか

 

ちなみに当時生田川は、現在のフラワーロードを流れていたとのことです
このお話は神戸市中央区のウェブサイトでも紹介されています

北向地蔵尊へのアクセス

神戸市中央区北長狭通1-20-12
各駅三ノ宮駅より徒歩約4分

神戸 地蔵ビル

地蔵ビルの看板を目印に

神戸市で見つけた路傍のお地蔵さん

北向地蔵尊に会った後、神戸を街歩きしていたら、路傍のお地蔵さんを見つけました

神戸市内の地蔵祠

神戸市のお地蔵さん

賽銭泥棒が多いのでしょうか?注意書きが貼ってありました
お地蔵さんの賽銭を盗むとはなんと罰当たりな行為でしょうか

近くの石碑もそんな行為を嘆いているかのようでした
「こころから鬼も佛もうまれる よき子をたまへ 南無地蔵尊

お地蔵さんの石碑

場所は記憶が定かではありませんが、写真の位置情報からこの辺だったと思います

くび地蔵(神戸市東灘区)

神戸市にくびだけのお地蔵さんがいるとは知識としては知っていました。
実際に見てみると、とてもインパクトのあるお地蔵さんでした。
しかしどうしてこのお地蔵さんはくびしかないのでしょうか?その由来などを調べてみました。

 

神戸 くび地蔵 地蔵祠

くび地蔵とは

くび地蔵の由来については、説明書きがありました。

 

かつて大名行列や旅人が、盛んに西国街道を往来していたころ、当地に首から上の病気に霊験あらたかだったという「花松地蔵」と呼ばれる地蔵尊があった。
くび地蔵は、大正6年に地域の人々によって建立されたもので、すでにあった「花松地蔵」に納め「花松くび地蔵」と名付けられた。

 

どうやら正式には、花松くび地蔵というみたいですね。
首しかないというのも首から上の病気にご利益があるというのが由来なのでしょう。
阪神大震災の際に倒壊しましたが、平成7年5月に再建されたとのことです。

 

神戸 くび地蔵 

 

ちなみに宝塚市にも首から上だけのお地蔵さん「首地蔵」があるみたいです。
こちらも機会があれば、ぜひ訪問してみたいものです。

kanko-takarazuka.jp

くび地蔵へのアクセス

兵庫県神戸市東灘区田中町5-3-6