港区高輪にある浄土宗のお寺「光福寺」には幽霊地蔵と呼ばれているお地蔵さんがいます
幽霊地蔵というのはもちろん通称で、正式には子安栄地蔵尊といいます
ではなぜ幽霊地蔵と呼ばれるようになったのでしょうか?
それはこのような言い伝えがあるからです
江戸時代、光福寺に近くの二本榎通りの飴屋さんに毎晩赤ん坊を連れた若い女性が買い物に来ていました
雨でも傘も持たずにやって来るその姿を不思議に思った飴屋の主人が女性の後をそっと尾行しました
寺の中に入っていったことを確認した主人は後日、今度は寺の住職と共に女性の後をついていきました
すると女性の姿は消え、地蔵の前に辿り着きました
住職はその地蔵を毎日供養すると、それからパッタリと女性が現れなくなったとのこと
この言い伝えと風化したせいで足がやせ細って幽霊のように見えるお地蔵さんの姿が結びついてそう呼ばれるようになったものだと言われています
子安栄地蔵尊は平成4年に港区の有形民俗文化財に指定されています。
境内の中には石仏も多数確認できました
光福寺は相福寺と号して創建し、明治13年芝源光寺を合併して名を光福寺と改めました