お地蔵さんブログ

お地蔵さんの写真や解説などを記しています

しばられ地蔵(南蔵院)

葛飾区の南蔵院というお寺にしばられ地蔵という珍しいお地蔵さんがいるということを聞いたので、さっそく行ってきました。

南蔵院の基本情報

南蔵院天台宗のお寺で、本山は比叡山延暦寺
山号は業平山、寺号は東泉寺。
貞和四年(1348年)林能法師によって開創されました。

開創当初は在原業平朝臣東下りの所縁の地、墨堤の畔にありましたが、寛永年間に本所中之郷(墨田区吾妻橋三丁目)に移転。
現在の地に移転されたのは、昭和四年になります。

 

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モロしばられ地蔵推しのお寺で、バス停も「しばられ地蔵」なら、案内の石碑にも「縛られ地蔵尊」の文字。

 

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入り口にも大きな文字で名前が刻まれていました。

 

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しばられ地蔵尊

しばられ地蔵はその名の通り、縄で縛られているお地蔵さんで盗難除け、足止め、厄除け、縁結びなど、あらゆる願い事(特に難病に効果あり)を聞いて下さるありがたいお地蔵さんなのです。

 

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造立は元禄14年(西暦1701年)というのですから、かなり歴史のあるお地蔵さんですね

お願いごとの仕方は至ってシンプル
しばられ地蔵の隣にある「願かけ縄」を購入(1本100円)

 

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お地蔵さんに縄を巻いて願い事を祈願。
晴れて願い事が成就したときにはその縄を解くといったものです。

毎年大晦日には縄解き供養が行われ、巻かれている縄が解かれるとのことなので、しばられ地蔵全貌が見れるのはこの日を狙うしかなさそうです。
解かれた縄は祈祷護摩の火で焚き上げられ、住職が除夜の一番鐘を撞き、新年が始まったところでお地蔵さんに新年の一番縄が結ばれるとのこと。

 

縄解き供養

後日縄解き供養に参加することができました。

 

南蔵院 しばられ地蔵 縄解き供養

大晦日の南蔵院

 

夜の南蔵院、随分昼と雰囲気が違います。

 

 

雅楽(管弦)の奏上が始まりました。

 

縄解き供養

縄解き供養

 

住職がお地蔵さんの真言である「おん かかか びさんまえい そわか」と唱えながら縄を解いていきます。

 

縄解き供養

 

全て縄が解かれてその姿を見ることができました。

 

しばられ地蔵への縄かけ

 

始めに住職が新年の初縄かけを行った後、一般の参拝客も縄をかけていきます。

 

モンブラン

 

除夜の鐘もつかせて頂き、その記念品?としてしばられ地蔵に似せたモンブランケーキを頂きました。

 

しばられ地蔵尊の由来

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お寺で頂いた絵本にはしばられ地蔵の由来について書かれていました。


絵本によれば、呉服問屋の手代が南蔵院で一休みして寝ている間に反物を盗まれてしまいました
この窃盗事件にときの名奉行、大岡越前「この場にいたのは、この地蔵だけだ。地蔵を捕らえよ」と命じ、お地蔵さんを縄でぐるぐる巻きにしました
そのことを知った野次馬がおもしろそうなことが始まりそうだと奉行所に集まりだしました
すると大岡越前「勝手に奉行所に入るとはけしからん、罰として反物を差し出しなさい」と発しました
次々と集まった反物の中には盗まれたものがありました
無事反物が手代に戻ったばかりか盗賊団が一網打尽となりました
大岡越前は地蔵に感謝するとともに立派なお堂を建立し盛大な縄解き供養を行いました。
この習わしが今日まで残っているという訳です。

 

お寺自体も見どころがたくさんあります。
その一部を紹介していきましょう。

聖徳太子

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旧聖徳寺の本堂の一部で、昭和55年に瓦葺の八角堂に建て替えられました。
除厄災招福家運隆盛商売繁盛に霊験あらたかとのことです。

水琴窟(すいきんくつ)

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水をかけると綺麗な音色を奏でます。

 

開運の鐘

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比叡山開運の鐘の鐘霊を奉戴して、昭和50年に建立されました。
誠心を込めて撞けば、幸運が訪れるとのこと。
時間制限はありますが、誰でも撞くことができます。

 

出世牛

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またがると出世すると言われています。

 

地蔵堂

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水子地蔵尊

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ののさまと名付けられたお地蔵さん風の石像も見つけることができました。

 

 

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きれいな藤の花も見頃で癒されました。

 

御朱印

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しばられ地蔵尊の冊子

 

しばられ地蔵の冊子を頂きました。

 

縄で縛られているお地蔵さんは南蔵院以外にも都内では品川区の「願行寺」文京区の「林泉寺」などにあるみたいです。

 

南蔵院へのアクセス

葛飾水元2-28-25

JR,京成金町駅南口より「戸ヶ崎操車場行き」「しばられ地蔵」下車徒歩3分

目疾(めやみ)地蔵、子育て地蔵尊、六地蔵(三学院)

埼玉県には蕨市という全国で一番小さな市があります
用事がなければ特に降りることのない駅ですが、目疾地蔵という目の病気にご利益のある珍しいお地蔵さんがいるということで初めて蕨の地に降り立ちました

 

お地蔵さんがあるのは三学院という真言宗智山派総本山智積院の末寺で正式名称は金亀山(こんきさん)極楽寺三学院といいます。
開山は長徳4(998)年と歴史は古く、徳川家康を始めとする歴代の徳川将軍から朱印状が授与されたことがある由緒あるお寺です

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本堂

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鐘楼

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阿弥陀堂

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仁王門

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三重塔などみどころあるお寺でした
ただお地蔵さんと所縁の深い閻魔堂を撮影できなかったのは心残り

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目疾地蔵は万治元年(1658)に念仏講を結んだ13人の人々が「この世」と「あの世」の安楽を願って造立したものです
目に味噌を塗ると目の病気が治る、あるいは目の病気にかからないといわれており、現在でも信仰の対象となっていますが、なぜ目に味噌を塗るようになったのかは不明です

その他にも六地蔵

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子育て地蔵もすぐそばに安置されていました

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毎月4日は地蔵堂の縁日が行われ、8月24日は盛大な法要(大護摩)が執り行われ多数の参拝客で賑わうとのことです

 
【アクセス】
埼玉県蕨市北町3-2-4
JR「蕨」駅下車 徒歩約15分

田植地蔵尊(玄国寺)

東京地蔵マップを見ていたら西早稲田にある「田植地蔵」という名前に惹かれました
田植えの時期になると旅僧の姿となって田植えを手伝ったことからそう呼ばれるようになったのだとか
お地蔵さんのある玄国寺は慶長6年(1601)創建というのですからかなり歴史のあるお寺だと言えるでしょう

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以前は近くにある諏訪神社別当でしたが現在では独立しています
敷地内には地蔵菩薩像の他に弁天堂や鐘楼がありました

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僕はてっきりこのお地蔵さんが田植地蔵だとばかり思ってました

ところが撮影後ネットで色々と調べていると田植地蔵は玄国寺から少し離れた玄国寺墓地の中にあると知りました
急いでお寺に引き返して掃除していた(寅さんで言うところの佐藤蛾次郎的な)人に

「すみません・・あそこにある地蔵さんて田植地蔵じゃないですよね?」と訊ねると
「違うよ、(田植地蔵)見たい?」というのでお願いすると、奥から住職(らしき人)を呼んできてくれました

玄国寺墓地は玄国寺から歩くこと10数メートル

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墓地に入る入り口は施錠されていたので、まずはここを開錠してもらい中に入ります
僕は地蔵探しの際には墓地内には立ち入らないというルールを設けているのですが、今回は許可を得たものとして例外扱いします
直進すると田植地蔵の祀られているお堂があり、こちらも扉を開けてもらいます(お手数かけて申し訳ないです・・)

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撮影にはやや難色を示されたので一枚だけ

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(あまりお顔が良く見えないのが残念)

同じ場所には光心地蔵尊水子地蔵尊もあるらしいですが、そちらは確認することはできませんでした

【アクセス】
新宿区高田馬場1-12-10